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保険適応となった肥満治療薬「ウゴービ」について

2024年4月10日:肥満症

2024年2月22日より肥満治療薬である「ウゴービ」が保険適用となり、とても話題で大変多くの問い合わせをいただいております。(写真提供:ノボノルディスクファーマ)


ウゴービは、セマグルチドを主成分としたGLP-1受容体作動薬に分類され、0.25mg~2.4mgまでの5段階があり、週1回の皮下注射をします。


ウゴービの働きは、脳の満腹中枢に働きかけて食欲を抑制したり、胃の蠕動運動を抑えることによりすぐ満腹感を感じて食事量が減ることで、体重を減少させる薬です。


実は、すでに発売されている糖尿病治療薬の「オゼンピック」「リベルサス」と同成分ですが、糖尿病がない方でも今回保険適応となりました。


もともと低血糖リスクがほとんどない成分であり、糖尿病治療より高用量が使えるため、より体重を減らせる可能性があります。



ただし、「体重を減らしたい方誰でもが保険適応で使える魔法の薬」ではありません!


というのも保険適応の条件がかなり厳しくなっております。



前提条件として、患者さんが

・BMI が 35 kg/m² 以上(例えば身長170cmで体重100kg以上!)

・BMI が 27 ㎏/m² 以上 35 ㎏/m² 未満の場合、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有している。

※肥満に関連する健康障害:耐糖能異常、高血圧症、高脂血症、冠動脈疾患、脳梗塞など

のどちらかを満たして、



さらに、肥満学会からのステートメントで「最適使用推進ガイドライン」を遵守するようにというお達しがでております。



具体的には、先程の患者さんの前提条件を満たした上で、

・高血圧、脂質異常症又は 2 型糖尿病のいずれかの薬物療法がなされ、適切な食事療法・運動療法を 6 か月以上継続した上で

・要件を満たす施設(施設要件:循環器学会、糖尿病学会、内分泌学会のいずれかにより教育研修施設として認定された施設であり、上記学会もしくは肥満症学会のいずれかの専門医資格を有する常勤医師が 1 人以上所属している施設である、など)

でのみ保険適応で処方が可能となっております。


今後、要件が緩和されていくとは思われますが、
結論として現状当院ではウゴービを処方できません


というか全国を探しても「ウゴービを保険適応で処方できるクリニック」は基本的にないと思われます(教育研修施設とは研修医や指導医がいる総合病院に限られるため)。


そもそも、使っているだけでどんどん体重が減っていく薬ではないので、今できる食事運動療法から始めてみてくださいね。


続報があれば、またHPでお伝えいたします。