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橋本病について
2023年8月23日:甲状腺
<橋本病とはどのような病気?>
橋本病は、本来自分の体を守るはずの免疫(自己免疫)が自分自身の甲状腺に反応して、甲状腺に慢性の炎症を起こす病気です。別名、慢性甲状腺炎とも言います。橋本病の自己抗体は、抗サイログロブリン抗体か抗TPO抗体であり、どちらか一方でも陽性であれば橋本病(疑い)の診断となります。
この慢性的な炎症によって、甲状腺組織が少しずつ破壊されていき、甲状腺ホルモンが作られにくくなって甲状腺機能低下症や甲状腺腫大が生じます。
<原因は?>
自己抗体ができる原因ははっきり分かっておりませんが、遺伝的に自己免疫を起こしやすい体質をもっており、その遺伝的要因に加えて、出産や大きなストレス、感染症などの環境的要因が加わって発病してくると考えられています。
<治療は?>
・甲状腺機能が低下している場合→甲状腺ホルモン剤(チラーヂンS:レボチロキシン)を内服して機能を正常に保ちます。慢性的に低下している場合は一生涯内服を続けることも多いです。
・甲状腺機能正常の場合→甲状腺が腫れてくるだけでほとんどの場合は症状もなく、治療も必要ありません。ただ、将来的に甲状腺機能低下症になる可能性のある病気なので経過観察は必要です。
機能正常の橋本病の方を5年間観察すると、約30%の方で何らかの機能異常(ホルモン低下や上昇など)がみられますが、その多くは無痛性甲状腺炎など一過性の異常です。
一生のうちに治療が必要なまでに甲状腺機能が低下するのは10~30%程度と言われておりますが、いつなるかは分かっていません。
甲状腺機能低下症は、軽度であれば明らかな自覚症状は現れませんが、放置しておくと動脈硬化などの危険因子となるため、無症状でも6ヶ月~1年毎の甲状腺ホルモン採血をお勧めしています。
もちろん、明らかな甲状腺機能低下症が起こると、寒がり、便秘、体重増加、むくみなどの症状が現れるので、その際は早めに受診してください。
<食事、日常生活での注意>
ヨウ素(ヨード)を多く含む昆布などの海藻類を多く取ったり、イソジンうがいを連用したりすると甲状腺機能が低下する可能性がありますので、過剰摂取は気をつけてほしいですが、絶対に少しでも摂ってはいけないわけではなく、あまり神経質になる必要はありません。それ以外に日常生活での注意はありませんので、特に活動制限などは必要ありません。
<妊娠予定の女性の方へ>
妊娠中、軽度の甲状腺機能低下でも流産しやすくなったり、胎児の成長に影響する可能性があります。橋本病の妊婦は普段の甲状腺機能が正常でも、妊娠すると低下しやすいので、妊娠前後で甲状腺機能を確認する必要があります。できれば妊娠を計画した時点や妊娠が分かった時点で再度甲状腺機能は調べておいた方が良いので、当院にご相談ください。
↓上記の内容をpdfで1枚にまとめたものを下記からダウンロードもできます。
栄養相談休止のお知らせ
2023年8月15日:管理栄養士
皆様
平素お世話になっております。
現在当院では、管理栄養士不在につき栄養相談を休止とさせていただいております。
再開は11月頃を予定しておりますが、その間栄養相談ご希望の方にはご迷惑をおかけしてしまい申し訳ございません。
詳しい日程が決まりましたらまたアナウンスさせていただきますので、
ご理解の程よろしくお願い致します。