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じゃがいもは食べない方がいい?
2024年3月4日:管理栄養士
こんにちは、管理栄養士の前田です。
最近スーパーなどで春キャベツや新たまねぎ、菜花など春の野菜が店頭に並んでいるのを目にするようになり、本格的な春の到来を感じています(^^)/
これから出てくる新じゃがいもは、ほくほくねっとり皮ごと食べられておいしいですよね♪
そこで今日は「じゃがいも」についてお話しようと思います。
糖尿病の食事療法においてじゃがいもは炭水化物が多い食品としてよく挙げられ、『糖尿病食事療法のための食品交換表』ではじゃがいもはごはんの仲間として分類されています。
ちなみにじゃがいもだけではなく、里芋や長芋、さつま芋、栗、かぼちゃなどもごはんの仲間として分類されているので、芋・栗・かぼちゃはそれだけ炭水化物が多いという事になります。
そのため、なるべく食べない方がいいと思っている方も中にはいるのではないでしょうか?
そんな避けられがちな「じゃがいも」について去年、米国のアルバート アインシュタイン医科大学が興味深い発表をしました。
それは、じゃがいもは栄養価が高い食材なので、食べすぎには注意が必要となるものの、適量を積極的に食べた方が良いというものでした。
研究によるとじゃがいもに含まれる糖質はデンプンが多く、食物繊維も多いため白米に比べると血糖値を上昇させにくいとされています。
デンプンは、ブドウ糖が多数つながった構造をしており、消化に時間がかかるため、比較的ゆっくりと血糖を上げていきます。
蒸したじゃがいも100gのカロリーは76kcalで、炭水化物は18g、食物繊維は3.5g含まれます。そのほかにも、ビタミンC、ビタミンB、カリウム、マグネシウムなどの大切な栄養素も含まれ、可食部だけではなく、皮にも栄養が多く含まれています。
ここで注目したいのが、100gあたりに3.5g含まれる高い食物繊維量です。
じゃがいも1個分が約150gなので、もし1個分を皮むきで食べたとすると5gほどの食物繊維が摂取できることになります。
糖尿病患者における1日の食物繊維の摂取目安量が20g以上となっているので、(糖尿病診療ガイドライン2019より)なんとじゃがいも1個を食べただけで1日の1/4の食物繊維が摂取できることになります!
豊富な栄養と調理のしやすさ、1年を通して手に入り、価格も比較的安定していることから「全く食べない」ではなく、うまく食事に取り入れるとバランスが良くなるということです。
しかし、じゃがいもはごはんの仲間でたくさん食べればカロリーオーバーになり、血糖値も上がってしまうのは事実です。また、油で揚げたフライドポテトやポテトチップス、マヨネーズを多く使ったポテトサラダは高カロリーで脂肪も多く含まれるので避けた方がいいでしょう。
ポテトサラダを作るならマヨネーズの半分量をヨーグルトに変えたり、カロリーハーフの物を使ったり、キュウリ、玉ねぎ、にんじんなどの野菜を多く入れて具沢山にして作ります。
また、皮に多くの栄養素が含まれるので、皮ごと調理するのもおすすめです。
皮ごと食べることで摂取できる食物繊維量も増えますね。
食べるときのポイントとして、じゃがいも1個分はごはん50gとだいたい同じエネルギー量なので、おかずにじゃがいもを多く食べた時は主食の量を減らして調整しましょう。
このようにバランスよく食事に取り入れて、これからおいしい新じゃがいもを是非皮ごと味わってみてはいかがでしょうか?
栄養相談ではその方のライフスタイルや好みに合わせて、どんな食事をどんな量でしたらよいのか詳しくお話させていただきます。是非お気軽にご相談下さいね(*^-^*)